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【飲食店のクレジットカード決済に関する調査】暗証番号入力必須化から半年、飲食店の7割が「顧客体験に影響」と回答
決済端末の「デザイン・操作性」への課題が明らかに
クレジットカード決済を導入している全国の飲食店経営者および従業員268人を対象に、「暗証番号入力必須化にともなうクレジットカード決済の実態調査」を実施しました。
暗証番号入力必須化について、2025年4月から、日本国内の店舗でクレジットカード決済を行う際のルールが変更されました。セキュリティ強化により、ICチップ付きカードでのサインによる本人認証(PINバイパス)は廃止され、暗証番号(PIN)入力が原則必須となっています。
<調査結果のサマリー>
・暗証番号入力必須化の認知度は約80%。制度施行から約半年が経過しても、制度の周知、浸透には課題が残る結果に。
・暗証番号入力必須化により、72%が顧客体験に影響が出ていると回答。特に決済端末のデザインや操作性により、洗練されたサービス体験や店舗の雰囲気が損なわれたとの声が約3割にのぼった。
・暗証番号入力必須化にともない、約7割の飲食店が決済端末の新規導入や機能追加を実施。
・現在採用している決済端末のデザインや操作性について、64.6%が「改善の余地がある・お店の雰囲気やサービス水準に合致していない」と回答。端末を刷新したにもかかわらず約6割の店舗が端末に不満を抱えており、洗練された外観デザインや操作性向上を求める声が多数。
<調査結果>
■ 事前調査:クレジットカード決済時の暗証番号入力が必須になったことを知っていますか。
2025年4月施行、クレジットカード決済時の暗証番号入力必須化の認知度は約80%
本調査を行うにあたり、クレジットカード決済を導入している飲食店の経営者・従業員268人を募るための事前調査を実施しました。事前調査に回答したクレジットカード決済を導入している飲食店の経営者・従業員304人のうち、2025年4月から施行されている「クレジットカード決済時の暗証番号入力必須化」について、「知っている」と回答した人は79.6%となりました。暗証番号入力必須化から約半年が経った中、およそ2割の飲食店従事者は「制度を知らない」と回答しており、制度の周知、浸透に課題があることが明らかになりました。

Q1. クレジットカード決済時の暗証番号入力必須化にともない、飲食店の店舗運営やお客様の体験にどのような影響が出ていますか。
暗証番号入力必須化により、約7割が顧客体験に影響を及ぼしていると回答
暗証番号入力必須化にともなって、顧客体験に影響が出ていると回答した人は72%にも上りました。特に、決済端末のデザインや操作性によりお店の雰囲気が損なわれ、洗練されたサービスの提供に影響が出たと回答した人は、全体の約3割となりました。高級飲食店など、これまでテーブルでのサイン決済(PINバイパス)が主流であった店舗において、従来の決済対応ができなくなったことから、顧客体験や店舗イメージの醸成に影響を与えていると考えられます。

Q2. 暗証番号入力必須化への対応のため、決済端末の変更などの対応を行いましたか。
暗証番号入力必須化にともない、決済端末の変更や機能追加を行った人は約7割
暗証番号入力必須化にともない、約7割の飲食店従事者が「決済端末の新規導入や機能追加を行った」と回答しました。一方で、約3割は暗証番号入力必須化への対応方法を検討中、もしくは大きな変更は行っていないと回答しました。クレジットカード決済時の暗証番号入力には例外が認められているため、決済端末の変更などの対応状況に店舗ごとの違いがみられるものと推察されます。

Q3. 現在使用している決済端末の見た目やデザイン・操作性はお店の雰囲気やサービス水準に合致していますか。
現在導入している決済端末に満足していない人は6割以上
現在採用している決済端末について、見た目やデザイン・操作性がお店の雰囲気やサービス水準に合致しているかと質問したところ、「改善の余地がある・合致していない」と回答した人が64.6%にものぼることが判明しました。

また、Q2で暗証番号入力必須化にともない端末の変更または機能追加をしたと回答した人のうち、決済端末の見た目やデザイン・操作性がお店の雰囲気やサービス水準に合致しているかの質問に対し、「改善の余地がある」「あまり合致していない・合致していない」と答えた人は57.8%にのぼり現行の決済端末では満足のいくサービス提供・店舗づくりが実現していないことがわかりました。

Q4. 現在使用している決済端末に改善を望む点は何ですか。
改善を望む点としては、「店舗の雰囲気に相応しい洗練された外観デザイン」「片手で持ち、操作できるサイズ感・重量、薄型化」などが挙げられました。

■まとめ
本調査から、クレジットカード決済時の暗証番号入力必須化から約半年が経過し、クレジットカード決済を導入している飲食店従業員においては約8割が制度を認知していることがわかりました。一方で、一部例外を除いて暗証番号入力を必須化しセキュリティ対策を徹底するためには、残り2割の対象者への制度の周知・浸透を進めていかなければならず、課題が残る結果となりました。
また、本制度の施行にともない、約7割の飲食店従事者が決済端末の変更や機能強化を行っていましたが、その内57.8%は現行の決済端末に満足していないということが判明しました。一部の店舗では、従来のサインによる本人認証(PINバイパス)を活用したテーブル決済のような洗練されたサービス体験が現行の決済端末では十分に再現できておらず、ニーズに合った決済端末が流通していないことが示唆されます。
暗証番号(PIN)入力必須化にともない、単なる決済機能にとどまらず、店舗のサービス水準に相応しい洗練されたスタイルを持つ新たな決済端末が強く求められています。
<調査概要>
・調査名:飲食店のクレジットカード決済に関する調査
・調査対象: クレジットカード決済を導入している全国の飲食店経営者および従業員
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2025年9月20日 ~ 2025年10月3日
・有効回答数:268名
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エム・ピー・ソリューションは、NECグループと各電子マネー会社・クレジットカード会社と協力して提供する、無人機向けキャッシュレス決済サービス『JMMS』や、対面式キャッシュレス決済サービス『KAZAPi(かざっぴ)』などを中心として、決済インフラ導入支援、決済代行業務までを含んだソリューションを提供しています。また、2024年1月からは、自販機を活用したマーケティングサービス『ジハトク』の提供も行っています。今後も、キャッシュレス決済サービスを軸とした取り組みで、安心・便利なユニバーサル社会の実現に貢献します。
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